今年の7月末に
保護猫を引き取り
はや一ヶ月が過ぎました。

以前の記事にも書きましたが
我が家に迎え入れたばかりの
数日は、
それはそれは大変でした。

今はあの頃が嘘のように
双方心を開き、
生活リズムも調和させ
なかなかうまくいっていると
人間側の私は感じています。
猫側の感想は
分かりません。(笑)

猫飼い初心者の私にとって
毎日が驚きと気付きの連続
なのですが、なによりも
その身体能力には
感心させられます。

脚が速く、ジャンプ力もあり
カーテンレールの上を歩く
バランス能力まであるのです。
なにより驚いたのは
ロッククライマーばりに
垂直によじ登り
降りる時は頭を下にして
また垂直に降りること。
見ている私はハラハラして
血圧が上がりそうなのに(笑)
当の猫は
怖くないのでしょうか。
そして、しなやかさ。
猫の背骨は
時として弓のようにたわみ
また時として
荒川静香ばりのイナバウアーを
してみせる。
手先も器用で細かいものでも
引き寄せることが
できるのです。
これだけの能力があれば
もう、自由自在です。

私は長年、運動指導の仕事を
していますから相手が猫でも
ついつい体の動きや仕組みに
注目してしまいます。
そしてこの猫の身体能力は
人間からすれば
うらやましい限り。
こればかりは
猫として生まれ持ったもので
人間がどれだけ努力しても
手には入りません。
ただ、非常に参考になる点を
見つけました。

私の仕事のひとつとして
ヨガの指導があります。
参加を希望する人からの質問で
多いのが
「体が柔らかくなりますか?」
「体が硬いけれどできますか?」
といった
柔軟性に関するものです。
その手の質問が
多いということはそれだけ
体を柔らかくしたい人が
多いということ。
そしておそらくそれは
体が柔らかいと健康になれると
思っているから。
テレビやネットの
影響が大きいと推察します。

柔軟性といえば股関節。
少し前に
“ベターッとつく!”
みたいな文言で流行りました。
でも、危険だなと思うのです。
なぜなら
柔軟性というのは
筋肉だけの問題ではなくて
関節の嚙み合わせや
関節を固定する靭帯の長さや
硬さ、腱の硬さなどなど
人それぞれの違いがあって
Aさんには素質があっても
Bさんにはそもそも無理、と
いうことがあるからです。
それなのにBさんが頑張って
関節を痛めつけたら
どうなるのか。
靭帯や腱を痛めたらもう
そこは弱ったままです。
関節の支えが弱ってしまえば
周囲の筋肉にしわ寄せがいき
さらなる不調に
悩まされることになります。

なにが言いたいのか、というと
関節の動く範囲、角度を
気にするのではなくまず
”質のいい筋肉”を
作りましょう、ということ。
質のいい筋肉とは
体をたっぷりと動かし、
動かしたことで毛細血管が
はりめぐされ血が巡り
体温、酸素、栄養がいきわたる
ことでフワフワと
柔らかくなった筋肉のこと。

ちなみに
私はトレーナーとしての研修で
箱根駅伝の選手のふくらはぎを
触らせてもらったことが
あります。まさにフワフワ。
その時の感触が手に残り
忘れられない程です。

つまりは
無理な柔軟体操で関節に負担を
かけるのではなく、
質のいい筋肉づくりを目指せば
少しずつ関節の動きもよくなる
という順番を
提案したいのです。

”質のいい筋肉”は
収縮弛緩が自由自在。
例えば
猫が甘える時は完全脱力。
排水溝の上なら流れて行って
しまうのではないかという程
トロトロです。
かと思えば病院の診察台に
あがるのを拒否する時は
全身の筋肉を完全収縮させて
抵抗します。
これも機能的な”質のいい筋肉”
のなせるわざ。

では我々人間は
なにをすればいいのか。

とりかかりはハードルを下げ
活動量をほんの少し
増やすこと。
これから涼しくなりますから
いつもは
車で移動しているところを
歩いてみたり
エレベーター
エスカレーターを使わず
階段を昇り降りしたり。

ほんの少し動く→
ほんの少し筋肉が柔らかくなる
→ほんの少し関節の動きが
よくなる→動くのが楽になって
活動量が増える→筋肉が‥、
という好循環にはまれば
しめたものです。

めざせ、猫のしなやか筋肉!





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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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