タイトルどおり
「関節軟骨は再生しない」
ということをお話します。

私は柔道整復師です。
柔道整復師とは基本的に
骨折、脱臼、捻挫、打撲、
挫傷という急に起きた
怪我に対し手当をするの
医療系国家資格です。

実際にはそれだけでなく
いわゆる運動器(骨、関節、
軟骨、筋肉、靭帯、腱、
神経)の不調に対し
施術をしています。

日々患者様と接する中で私が、
これだけは分かって欲しいと
強く願う事、
それが
「軟骨は再生しない」
ということなのです。
(現在、自身の軟骨を培養し
移植する”自家培養軟骨移植術”
が保険適応になっている
ようですが、人の自然な体の
仕組みとしては再生を
しません。)

たとえば肉離れなどで筋肉が
切れてしまっても、
しばらくすると筋細胞が増殖し
修復されます。
骨折も同様、受傷後に適切に
固定し患部を安静にしていれば
癒合します。
では、なぜ関節軟骨は再生
しないのでしょうか。

その前に
そもそも関節軟骨とは
どこにある何なのかを
説明します。

人の体には約200の骨が
あります。
そして、2つの骨の連結部分を
“関節”と言います。その
関節を形成するところである
骨の末端(骨端と言います)を
覆っているのが”関節軟骨”
です。

この関節軟骨、
とても滑らかで弾力性に富み
摩擦係数はとてもとても低く
潤滑性に優れているのです。
だからこそ
我々人間がスムーズに体を
動かすことができるのですね。

とても優秀な働きをする
関節軟骨ですが、
加齢や日常生活、
スポーツなどで酷使する
ことによって
すり減り傷んでいってしまう。
それが痛みや発熱、腫れを
引き起こすのです。

代表的なのが
変形性膝関節症や
変形性股関節症、
手指の関節炎です。

症状が初期段階であれば
安静にすることで
治まることも
あるでしょう。
でも多くの場合
進行し、何らかの対処を
しなければならなく
なります。

そうなった時にほとんどの方が
病院の整形外科を訪れます。
もちろん症状によりますが
痛み止めの薬を処方されたり
変形性膝関節症では
ヒアルロン酸の注射を打つ方も
多くいます。

そこでとても気になるのが
「痛みが和らいだから
治った。」
と考えてしまうこと。
そう考えてしまうと
関節炎の原因を作った
生活習慣や活動の見直しを
怠ってしまいがちになります。


残念ながらすり減った軟骨は
元には戻りません。
なぜなら
軟骨には血管が通って
いないからです。つまり
血流がないのです。
血液が届かなければ修復物質も
届かないのです。

関節軟骨に血流は無い
というのが再生しない理由です。

関節軟骨に血流は無い代わりに
関節には関節包という
袋状の膜があり
関節液という液体が軟骨に
栄養を届け老廃物を運搬する
代謝を担っています。
ところが頼みの関節液も
加齢により減少していき
この働きの恩恵も受けられなく
なってしまいます。
それが関節炎を引き起こす
一因にもなるのです。

関節軟骨が再生しなければ
一時痛みを感じなくても
それは「治った」ことには
なりません。

関節はとても精密な構造で
体を支え安定させ、滑らかに
動いてくれます。
でもひとたびその構造が
崩れてしまえば、
関節への負担は増し、症状の
再発や悪化、他所への悪影響を
引き起こすのです。

だからこそまずは
「関節軟骨は再生しない」
いうことを理解して
欲しいのです。
その上で、
関節に負担をかける生活習慣を
見直し、時には薬により
痛みを和らげつつ、
関節を保護する筋肉を鍛えたり
しながら、
心身のコンディションを
整えていく。
それこそが
地道でありながら王道なのだと
考える次第です。

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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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