「私は柔道整復師です。」
こう自己紹介をすると
大抵の場合
「?」という顔をされ、
さらに説明しようと
「接骨院の仕事です。」
と言うと
「あ~、安くモミモミ
してくれるとこ。」と
大きく誤解されてしまいます。
私が何者であるかの前提が
揃わないと、
何の為に何を言っているのかも
理解してもらえないとも
思うので、まずは
柔道整復師について説明
します。
柔道整復師とは、
骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷
といった怪我に対する施術を
行う日本発祥の医療系国家資格
です。
手技療法、温熱療法、運動療法
などを行います。健康保険は
骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷
の施術にのみ適用され
肩こり腰痛などの慢性的なもの
には使えません。本来は
実費の支払いです。
つまり
「安くモミモミ
してくれるとこ。」では
ないのです。
運動器(骨、関節、軟骨、筋肉
靭帯、腱、神経)の不調に対し
施術する人、ということです。
そして私は
フィットネスインストラクター
とトレーナーでもあるので
“接骨院”としては開業せず
「トータル
コンディショニングジム」
と銘うちジムを運営して
います。
そのジムの仕事のひとつとして
Instagramに健康情報を
定期的に投稿しています。
内容は、お客様との雑談で
耳にした健康に関する言葉を
拾い、
それに答えるつもりで作るの
ですが、いい加減なことは
できないので、下調べを
しっかりしています。
最近は「ばね指」や「すべり症」を
取り上げたのですが、
ふたつともその原因に、”加齢”と
“女性ホルモン“というワードが
出てくるのです。なるほど
「ばね指」も「すべり症」も
中高年女性に多い疾患です。
“加齢”による体の変化で不具合が
出るのは仕方のないことで、
納得もできます。
”女性ホルモン”も同様、閉経し
減少していくのは止めようも
ありませんが。
いや、それにしても
”女性ホルモン”とは
女性の一生にここまで多大な
影響をもたらすものなのかと、
そこに驚くのです。
女性ホルモンの影響は
初潮から始まります。
月に一度の月経は煩わしく
人によっては
ひどい腹痛や頭痛腰痛、
その他いろいろな不調に
悩まされます。また、
気分の落ち込みやイライラなど
精神面にも影響します。
月経前症候群(PMS)
月経困難症
子宮筋腫
子宮内膜症
子宮腺筋症といった様々な
病気のリスクを抱えること
にもなります。
そして数々の苦難を乗り越え
ゴール。そう、閉経です。
バイバイ女性ホルモン、
もう苦しめられずに済む、
楽になったと喜んだのも
束の間。
実はこの”女性ホルモン“
やんちゃなだけではなく
実は
女性の体を守るたのもしい
味方、バディだったのです。
動脈硬化を防いでくれたり
コレステロールを
コントロールしてくれたり
高血圧や糖尿病のリスク低下、
心筋梗塞、脳卒中、認知症、
腎機能低下も
防いでくれるとか。
骨密度の低下も防いでいて
くれたのですが、その作用が
無くなるので、閉経後の
女性は骨折に気をつけなければ
なりません。
”女性ホルモン”が減ることで
病気や怪我をしやすくなる
のなら、増やせばいいと
思うのですが、残念ながら
”女性ホルモン”は増えません。
一生のうち分泌される量は
ティースプーン1杯と
言われています。
イメージするよりとても
少ないのではないでしょうか。
恋愛するとドバドバ出るとか
キレイな女優さんは
女性ホルモンが多いから
セクシーだとかいうのは
都市伝説なのでしょう。
まず
「女性ホルモンを増やすことは
できない」ということを
しっかりふまえた上で
どうするか、です。
結論、
「体にマイナスな行動を控え
現状維持を目指す。」
これではないでしょうか。
マイナスな行動とは
「不摂生」です。
裏を返せば
食事、睡眠、運動の
生活習慣を整えるということ。
“女性ホルモン”という観点から
すれば、閉経前とは明らかに
体は変わっているのです。
それまでしてきた習慣も
もしかしたら
今の体には合わないのかも
しれません。
それを見直し習慣を変えていく
ことで、
減点を抑えていきましょう。
これこそが
迫りくる病気や怪我に対し
消極的に見えて実は最も
積極的な防御法だと思います。