行きつけのドラッグストアでの
できごとです。

以前、あるメーカーの化粧品を
購入した時に
スタンプカードを貰いました。
購入金額によりスタンプが
押され、全ての枠が埋まったら
景品がもらえるというのです。
私はそのメーカーの商品をよく
買うので、その都度スタンプを
押してもらい、コツコツと
溜めていました。

そしてついにコンプリート。
カードを見た店員さんも
心なしかテンション高めに
「溜まったのでこちらへ。」と
レジの後ろのスペースへと
案内してくれました。
そこで景品を受け取れるのかと
思いきや、なんと
「本部に連絡後、1ヶ月ほど
かかります。」というのです。
そして
書類に住所氏名電話番号を書き、
その控えを受け取り、その日は
帰りました。

どうでしょう。
ここまでの流れで、なんだか
すごいものがもらえるような
気がしませんか?
私だけでしょうか。

1ヶ月とは長いのですね。
もちろん、そのことばかりを
考えているわけではないけれど
時々思い出しては、どんな
ものがもらえるのかと、
ワクワクしていたのです。

そしていよいよ
その日がやってきました。
電話連絡を受けた次の日、
スーパーや百均ショップと
併設されたその場所へ
私は向かったのです。
それはもう、いそいそと。

スーパーでの買い物も
あったので、
先に済ませました。
なぜなら
景品が大きな紙袋にいっぱい
だったら、その後にスーパーを
回るのは大変だからです。
「いや、高級化粧品だとしたら
小さいかも‥。」
「レジ袋以外にも景品用に
袋が必要だったか?」など
妄想を膨らませつつ、いざ
ドラッグストアへ。

レジの店員さんに声をかけ
景品交換の旨を伝えると、
わざわざ別の店員さんを
呼び出し、その店員さんが
小走りに店の奥へと
消えていくという。
ますます期待は高まります。

待つこと数分。
戻ってきた店員さんの姿が
近づいてきます。
「お待たせしました。」と
差し出された手には
とてもとても小さな、
ビニールの包みが。

なんでしょう、この感覚。
ガクッと肩が落ちる感じ。
もうなで肩どころか脱臼レベル
に落ちる感じ。
それと同時に自分の欲深さが
露になってしまったことへの
羞恥心。
「ですよね~。」という
諦観の念。
もうごちゃまぜです。

家に帰り改めて中身を見ると
トラベルサイズの化粧落とし、
化粧水、ジェルの3つ。
透明なビニール袋に入り
赤いリボンが
結ばれていました。

いや、分かっています。
私が期待しすぎたことを。
でもね、
気を持たせ過ぎでは
ないですか。(笑)

このできごとから
考えたことがあります。

私は仕事で
筋トレやヨガの指導、
柔道整復師として怪我の
治療をしています。
そのどれに対しても
利用者側、患者側は
少なからず期待を持って
私のジムに来てくれていると
思うのです。
健康になりたい、痛みを
取りたいと願って来て
くれていると思うのです。
そして私もその期待に
できる限り応えようと
努めてはいます。
それでも、なかなか
難しい。一度来て
それっきりになってしまう人が
開業から10年で
何人もいるのは事実です。
もちろん、いろいろな事情も
あるでしょう。でもその中に
今回の私のように
期待を裏切られたと
肩を落としている人も
いるのかもしれません。

期待って個人的な尺度だと
思います。それだけに
期待に応える、ましてや
超えるというのは至難の業。
でも商売をやっている以上、
そこに
チャレンジし続けることこそが
私のミッションなのだと
赤いリボンにじゃれる愛猫を
眺めつつ改めて
気を引き締めています。

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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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