私は現在
「トータルコンディショニング
ジム」なるものを
運営しておりまして
柔道整復師であり
パーソナルトレーナーであり
フィットネスインストラクター
なのです。
その観点から
脂質異常症と運動について
語ります。

前回は
脂質異常症の成り立ちから
効果的な運動について
述べました。

まとめると
有酸素運動をメインに
それをより安全に、
効果的に行えるよう
筋力トレーニングを加え、
疲労回復のための
ストレッチも必要だという
結論になります。

今回はその実践編です。

具体例を挙げるその前に、
ぜひご覧になって頂きたい
ものがあります。
それはWHOが発表した
「WHO身体活動・座位行動
ガイドライン」です。

そこには
「世界の人々が
より活動的になれば、
年間400万~500万人の死亡を
回避できる可能性がある。」と
書かれています。
そして
年代別、妊娠中、慢性疾患、
障害といった状況別にも
どのような運動をどのくらい
行えばいいのかという指針が
具体的に示されています。
とても詳しくまた、
分かりやすい内容です。

個人的には
推奨されている運動量が
日本人には多いかな、とも
思いますが、充分に
参考にはなります。
ぜひ、ご一読ください。

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/337001/9789240014886-jpn.pdf?sequence=151&isAllowed=y

では、
脂質異常症の改善のために
行うべき運動について。

①有酸素運動

有酸素運動とは、軽~中程度の
負荷を継続的にかける運動の
ことです。
酸素を使って筋肉を動かす
エネルギーである脂肪を燃焼
させることから
有酸素運動といいます。
脂肪を消費するため、体脂肪の
減少や高血圧などに
効果が期待できます。
(江崎グリコ 
パワープロダクションより)

水泳、水中ウオーキング、
ジョギング、ウオーキング、
サイクリング、
エアロビクスダンスなどが
有酸素運動です。

種目はそれぞれ自分の好みや
都合に合わせて選べば
良いのですが、躓くのは
「軽~中程度の負荷」
ですよね。この負荷のことを
運動強度というのですが
算出の仕方があります。

●カルボーネン法
心拍数を使います。
(220-年齢ー安静時心拍数)×
運動強度(%)+安静時心拍数

まず運動前の落ち着いた状態で
心拍数を測ります。
測り方は片方の手の親指を除く
2~3本の指を反対の手の
親指側の手首に軽く当て脈を
探します。
脈が触れたら1分間で何回
拍動を感じたか数えます。
1分は長いので、実際には
10秒の回数×6
15秒の回数×4
で算出して下さい。

そして目標の運動強度を
決めます。
軽~中程度なので
60~70%といったところ。
これまでに運動習慣が全く無く
今日から、という場合は
50%で良いと思います。

例 50歳女性 運動経験無し
  安静時心拍数70回のAさん
(220ー50ー70)×0.5+70=120

ということで
運動中の心拍数を120回まで
上げれば効果的な運動が
出来たということになります。
数字で管理できるので
確実です。
とはいえ面倒だという場合、
簡易な方法があります。

●自覚的運動強度(RPE)
  運動時の主観的負担度を
 数字化したものです。

6~20の段階があり
7→非常に楽である
9→かなり楽である
11→楽である
13→ややきつい
15→きつい
17→かなりきつい
19→非常にきつい

軽~中程度なので
このスケールの13あたりを
目指して運動すれば
よいということ。
そして
ややきついの目安は
人と会話できる程度。
例えば誰かと二人で
ウオーキングするとして
息が弾み汗が少し滲み
でも、相手と時おり
ひと言ふた言やり取り
できるといった感じです。

ウオーキングに限らず
他の種目でもこの感覚を
確認してみてください。

継続時間も重要な要素です。
最初は10分20分といった
短い時間で始めて、
慣れてきたら30分、と
伸ばしていってください。
有酸素運動の継続時間に
ついては諸説あって
10分程度でもOKとも
言われています。
もちろん長く続ければ
その分脂肪燃焼効果は
高まります。
ただし、頑張り過ぎには
注意が必要です。
筋肉の過労はもちろん、
有酸素運動は心臓や肺にも
働きかけますから負担を
かけることになります。
運動を頑張り過ぎて体調を
崩してしまったら
本末転倒です。

“適度な運動”の目安は
運動後に関節や筋肉に
筋肉痛以外の
強い痛みや、熱、
腫れが無いこと。
次の日に疲労感が残って
いないことです。

そして
週に2回、できれば3回
定期的に運動時間を確保
しましょう。
自己管理できそうであれば
ウオーキングをメインに
自宅で筋トレ、夜ストレッチ。
一人では頑張れそうになければ
スポーツクラブを利用する手も
あります。

仕事の都合で時間が取れない
場合は
生活のあらゆる場面を
有酸素運動に
代えてしまいましょう。
今まで車移動のところを
自転車や徒歩に、
エスカレーターや
エレベーターは使わず
階段を。
ショッピングモールの広い
駐車場は建物の入り口から
一番離れた所に停め
歩くのです。
時間がもったいないと思うかも
しれませんが、逆です。
その努力を惜しんだことで
大きな病気に発展し
通院、入院、手術、リハビリ、
ということになれば
時間もお金も体の自由も
大損失なのです。
ここは時間の前払いと思って
ぜひ運動時間に変換して
ください。

さて、今回は
脂質異常症改善のための運動
として
有酸素運動をお勧めしました。
次回は実践編②③、
筋トレ、ストレッチについて
書きたいと思います。







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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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