私は現在
「トータルコンディショニング
ジム」なるものを
運営しておりまして
柔道整復師であり
パーソナルトレーナーであり
フィットネスインストラクター
なのです。
その観点から
脂質異常症と運動について
語ります。

脂質異常症改善の為に必要な
食事、睡眠、運動という
生活習慣の管理。
バランスの良い食事と
充分な睡眠、そして
目的に沿った最適な運動。

その最適な「運動」として
前回は有酸素運動について
述べました。
今回は有酸素運動を安全に
効果的に行うサポート役として
「筋トレ」「ストレッチ」
ついて解説します。

本題に入るその前に、
「METs(メッツ)」という言葉を
ご存じでしょうか。

METsとは
安静に座っている状態を1MET
として、様々な活動が
その何倍のエネルギーを消費
するか示した活動強度の指標
です。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html

上記の厚労省のサイトにもあるように
「METs(身体活動の強さ)」
×時間=エクササイズ
という計算式で
活動量を数字化することもできます。

例えば
早歩きのウオーキングは
3.8メッツ。
それを30分行うと
3.8×0.5時間=1.9エクササイズ。

軽めの筋トレは3.0メッツ。
それを30分行うと
3.0×0.5=1.5エクササイズ。

ストレッチは2.3メッツ。
それを30分行うと
2.3×0.5=1.15エクササイズ。

このように
自分が行った運動の量を
客観的に確認できるのです。

ちなみに
国立健康・栄養研究所が
出している
『身体活動の
メッツ(METs)表』が
とても細かくいろいろな活動の
メッツを一覧にして
くれているので、ぜひ一度
ご覧になってください。
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf

さて、ここからが
本題です。
脂質異常症改善の為には
食事、睡眠、運動。
運動は、
①有酸素運動
②筋力トレーニング
③ストレッチ
①~③すべてが必要です。
今回は②筋力トレーニング、
③ストレッチについて。

お気づきでしょうか。
上記の運動量の計算結果は
有酸素運動である
ウオーキングが1.9と最も多く
筋トレは1.5、ストレッチは
1.15ですから運動量としては
ウオーキングよりも
少ないのです。
では、限りある時間を
ウオーキングにあてた方が
効率的かといえば
そうではありません。

運動は食事のバランスに似た
ところがあります。食事では
糖質、脂質、タンパク質、
ビタミンミネラル、
食物繊維といった多くの
栄養素を摂る必要があります。
運動も同じように目的の違う
この3種類をバランスよく
行ってこそ最高の効果が
得られるのです。

筋力トレーニングがなぜ必要か
というと、理由は2つ。

●関節を守る為
●エネルギー代謝を高める為

です。

仮に今までにまったく
運動習慣が無かったとすれば
実年齢よりも筋力は衰えている
と考えられます。
そのからだで有酸素運動を
しようと、手軽なところで
ウオーキングを選んだとしたら
どうなるか。
歩行時には膝の関節に体重の
約3倍、階段昇降時には
7~8倍の負担が
かかっているといいます。
体重50㎏なら歩行時150㎏、
階段昇降で350㎏~400㎏です。
本来であれば、関節の構造と
周囲の筋肉の働きで問題は
ないのですが、運動不足で
筋肉の支えが足りなければ
関節炎を起こしてしまうかも
しれません。
膝関節を例に挙げましたが
腰や足首も同様です。
つまり
歩き出す前に、(その他の
有酸素運動も。ただし水中
ウオーキングの関節にかかる
負担は少ないです。)筋トレで
からだを充分に支えられる
レベルに筋力を高めよう
ということです。

そしてエネルギー代謝。
その多くは筋肉内で
行われています。
ざっくりと例えれば
大型車と小型車を比べた時
大型車の方がより多くの
ガソリンを消費しますよね。
それと同様、
筋肉量が多ければその分
多くのエネルギーを消費する
のです。
同じ時間、距離を歩いて
筋肉量の多いAさんと少ない
Bさんでは消費カロリーが
違うということ。
スポーツクラブで
エアロビクスダンスをしても
AさんとBさんでは
効果が違うということです。
(もちろん年齢や身長体重、
体調、動き方等要素を
揃えなければなりませんが
例え話ということで。)

もう、
筋トレをやるしかありません。
(笑)

そしてさらに、ストレッチ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81
Wikipediaに注意点も詳しく
書かれていたので
ぜひご一読ください。

では
筋トレとストレッチを
どのくらいの頻度で行うか。

筋トレはよく
筋肉を回復させるために
1日おきと言われますが、
それはかなり負荷をかけた
ハードなものを行った場合。
私がお勧めするのは
自体重(重りを持たず自分の
からだを負荷にする筋トレ)
で、量も少ないので
毎日でも良いと思います。
以前このブログに書いた
「筋トレ100」はお勧めです。
スクワットを10回、腕立てを
10回、腹筋を10回‥
というように空き時間に
小間切れでいろいろな種目を
行って全部で1日に100回の
筋トレ。もちろん同じ種目を
何セットか繰り返すのも
OKです。
これは体の負担も、心の負担も
軽いので続けやすいのが利点。
もし、まとめてガッツリとした
筋トレをするのであれば
回復時間を取って
週に2~3回でもいいと思います。

ストレッチは
毎日行ってください。
夜眠る前、お風呂上がりの
からだが温まっている時が
最適です。
もしその日に運動を
していなくても
1日活動したからだは
多かれ少なかれ疲れています。
からだの状態を確認しながら
ゆっくり行いましょう。
ストレッチ以外にも
筋膜リリースや
ストレッチポールのような
器具を使うものでも
構いません。
自分のからだを労わる時間を
作りましょう。
次の日の朝のからだの軽さが
断然違います。

まとめると
有酸素運動は週2~3回
筋トレはやり方次第で
毎日または週2~3回、
ストレッチは毎日、です。

有酸素運動と筋トレを
別日に交互にするか
同じ日にまとめるか。
生活状況に合わせ無理の
ない計画を立ててみて
ください。
大切なのは
運動を習慣化することです。
歯磨きをしないと
気持ち悪いのと同じように
運動しないと気持ち悪い、
となったらしめたもの。
気付いたら
コレステロールや
中性脂肪の数値が改善していた
なんてことも
あるかもしれません。


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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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