保護猫をもらい受け
一か月弱。
人間も猫も新しい生活に
慣れてきてお互いのペースが
かみ合ってきました。
とはいえ私は
「猫」の初心者。いまだ
分からないことだらけです。
生まれた時から最近まで
ずっと犬と暮らしてきたため
犬との接し方は体得していても
猫は分からない。
男兄弟で育った男性が
女性との接し方に悩むことと
近いのか、どうなのか。
何よりも驚いたのは
猫にはしつけが
できないということ。
困ったいたずらにも叱らず
再犯(笑)せずに済む環境を
整えるのがいいそうです。
例えば猫が
カーテンを登り爪でビリビリに
してしまう場合、
キャットタワーなるものを
設置し
高い所に登りたい欲求を
満たしてあげるといいそうな。
その他
「ニャー」と鳴いた時に
お腹がすいているのか、
喉が渇いているのか、
遊びたいのか、
甘えたいのか、と
猫の要求を汲み取り
的確に応えていくと
問題行動や病気のリスクが
軽減し人間と猫にとって
ストレスフリーな快適ライフが
構築されていくわけです。
そんなこんなをネットや本から
学んでいると、
イソップ寓話「北風と太陽」が
思い出されます。
ある時
北風と太陽がお互いの
力比べをしようとしました。
お題は
旅人の外套を脱がせる事。
最初に北風が強風を吹き付け
外套を脱がそうと試みましたが
旅人はかえってしっかりと服を
抑え込み失敗に終わります。
次に太陽が燦燦と照り付けると
暑さのため旅人は自ら外套を
脱いだのです。よって
太陽の勝ち。
猫との接し方は
この物語で言うところの
太陽なのだと思うのです。
強制するのではなく
猫自らが思わずそうしてしまう
ように仕向けるわけで。
ただですね、
御幣を恐れず言えば
犬の躾というのはある意味
強制的なわけで。少なくとも
私はそうでした。
人間の希望に沿うよう
指示命令を出し、
しかも端的にはっきりと
分かりやすく表現しますから
命令感は強めです。
私もさんざん
「座れ」
「待て」
「お手」
そしていたずらすれば
「いけない」と強く制して
きました。
今回猫に対して
それが通用しないとは。
仕事でも指導者という立場
ですから、「指示」を出して
なんぼ。
染みついた”北風感覚”を
どこまで転換できるのか。
ただこれ
学べるのです。
相手の要求、欲求を汲み取り
的確に提供する。
それを押し付けず自然に
受け入れてもらうよう
工夫する。
これって商売そのものでは
ないでしょうか。
つまり
ニーズを満たすということ。
いくら私が運動指導者という
立場にあっても
商売は商売。
相手のニーズに応えなければ
受け入れてもらえません。
自分の都合を押し付ければ
顧客は去っていって
しまいます。
おそらく私の最も
欠落した部分です。
ハンモックに揺られ
スヤスヤ眠るこの猫を
幸せにするためにも
相手の要求、欲求を
汲み取る練習を
重ねていきたいと
思うこの頃なのです。