私は柔道整復師であり
パーソナルトレーナーであり
フィットネスインストラクター
でもあります。
現在、
トータルコンディショニング
ジムと銘うって
治療と筋トレ、ヨガの指導を
しています。

筋トレでもヨガでも
お客様から言われることの
多いのが
「体を柔らかくしたい」
ということ。

そしてその多くが
テレビやネットで目にした
脚を180°に開き上半身を
前に倒す、いわゆる
“ベターッとつく”のを
イメージしている
ようなのです。

結論を言えば
「とんでもない!」なわけで
私は
後ろから羽交い絞めするかの
如く必死で説得にかかります。
(笑)
なぜなら、それを目指すのは
非常に危険だからです。

我々人間の体、関節には
関節可動域(ROM)という
基準値があります。

関節可動域とは

身体の各関節が、
障害などが起きないで生理的に
運動することができる範囲
(角度)のことを示します。

厚生労働省e-ヘルスネット引用
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-060.html


そして股関節の可動域は
45°です。
つまり両足を開いて90°。
これで充分だし、これ以上は
筋肉、腱、靭帯をいためる
可能性があり危険なのです。
しかも、腱や靭帯はその性質上
いためたら元には戻りません。
もし、股関節の靭帯を
いためた場合、その分関節の
支えを失いますから常に
不安定な状態になり、周辺の
筋肉に過度な負担がかかるし、
股関節の骨や軟骨にも不具合が
生じるかもしれません。
そのリスクは加齢とともに
増加します。

そもそも
脚が開けば開くほど健康に
なれるかと言えば
答えはNOです。
しかも
体の硬さ、関節の硬さには
個人差があるのです。
若年と老年では若年が、
男性と女性では女性の方が
比較的柔らかいし、
細かく言えば、関節の形状や
筋肉、腱、靭帯の柔軟性や、
長さといった遺伝的要素にも
よるのです。
そもそもの個人差がある
というのに一律に180°を
目指し無理をしたら、自ら
健康寿命を縮めているような
ものです。

じゃあ、テレビやネットで
見る体操選手やダンサーは
何なんだと
突っ込まれそうですが
それはその競技に必要があって
長年、トレーニングを
積んできているわけで
まさしく”特別”なのですよ。

では、
私たち一般人が「柔軟性」を
どう考えるか、
ということですが
一切不要かと言ったらそれも
違います。
改善すべきは運動不足により
おきた体の硬さです。

例えば運動不足が続き、
10年前より
肩が上がらないとか
脚が開かない、
前屈が浅くなったというなら
それは定期的な運動により
改善できることです。
その際は、
有酸素運動、筋トレ、
ストレッチや器具を使った
メンテナンスをバランスよく
行い、自分の体の変化を
待ちましょう。
決していきなり開脚して
勢いをつけて
前屈するようなことが
ないようにしてください。

人間一人ひとりに個人差が
あるのです。
自分の体の特性を見極めて
比べるなら以前の自分、
昨日より今日の自分の
進化を確認しながら、よりよい
体を手に入れましょう。

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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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