先日、
シンクの蛇口が壊れ大惨事。
なんとかかんとか収めたものの
心身共に
ダメージを受けました。
この出来事から
「見て見ぬふり」をすること
によって受ける大きな不利益に
ついて考えてみました。

それはある夜のこと。
私は入浴を済ませ、
喉が渇いたので台所で水を飲み
使ったコップを洗って
水栓のハンドルをひねり
閉めようとしました。

ここでひとつ説明が必要かと
思います。なぜなら今どき
“ハンドルをひねる”は
なかなかない
動作かもしれないからです。

我が家は築50年を迎えようかと
いう古い家。
少しリフォームしたところも
あるけれど、そのほとんどが
古びていて、
いわゆるオンボロ家なのです。
そのため、シンクの水栓も
2ハンドルの混合栓。
湯と水が分かれてそれぞれを
ひねる形のものなのです。

さて
無造作に蛇口をひねった
その瞬間。
「クニュッ」とこれまでにない
手応え、
というか手応えのなさ。
それと同時にすさまじい勢いで
流れ出す水。慌てて
栓を閉めようとしたけれど
回しても回しても栓は止まらず
水も止まらない。
焦りながらも
私の脳内では緊急会議が開かれ
“パッキンがダメになった!”と
結論が出されたのです。

でもこんな時に原因なんて
どうでもよくて、とにかく
この水をどう止めるかを
必死に考えました。そして
ハンドル部分に
上から圧をかければ止まる
ということに気付いたのです。

とはいえ私がずっと
ハンドルを押さえ続け
朝を待つわけにもいかない
わけで。
そこで思いついたのが
布製のガムテープ。
それで思い切り押さえつければ
何とかなるのではないかと
やってみました。
すると、完全ではないものの
水量が減りました。
「ジャーッ」が「チョロチョロ」
くらいです。
これで何とか乗り切れると
思ったのですが、そうは問屋が
おろさない。
しばらくすると
水量が増えてきてしまう。
これでは安心して
眠れそうにありません。
そこで思いついたのが
“テーピング”。
職業柄(柔道整復師です。
接骨院と言った方が
分かりやすいかも。)自宅にも
大量に持っています。
テーピングなら弾力性があって
張力をかければさらに
押さえ込めるかもしれないと
考えました。これが大ヒット。
結果、ガムテープと
キネシオテープで
わずかな水漏れ程度に留める
ことができました。

応急処置をしてその晩は
眠ることができ、
次の日にホームセンターへと
相談に行きました。
ネットで調べたらDIYでも
いけそうなので、水栓だけ
買うつもりで店員さんに
尋ねたら、速攻で止められ
結局翌日取り付け工事を
することに。
工事に来てくれた
高齢のご夫婦はとても
感じが良く、手際よく
仕事を済ませ
30分程で取り付けが
終りました。
私が自力でやっていたら
5倍6倍、もしかすると
もっと時間がかかった
ことでしょう。
餅は餅屋とはよく言った
ものです。

この長い戦いは
無事終息したものの、
とても疲れました。
そしてこのダメージは
その後長く尾を引きました。

50年近く使われていた水栓です
から、起こるべくして起きたの
ですが、
実は前兆があったのです。

記憶があいまいですが
もう1年程か
もっと前からだった
かもしれません。
温水側の栓の付け根から
ポタポタと
水漏れしていたのです。
当然気付いていたけれど
修理を依頼するのが面倒だし
何より生活には
支障がなかったので
「見て見ぬふり」を決め込み
放置していたのです。
思えばすでに
限界を迎えていたのですね。
ホームセンターの店員さん曰く
水栓の寿命は20年程度だそう
なので、倍以上頑張っていて
くれていたのです。
そのまま
1年放置できていたのは記録的
ですが、結果今回の大惨事を
招いたということですね。

自身の自堕落加減を反省しつつ
考えついたことがあります。
これって体の不調にも
当てはまるのではないかと。

急に起きた事故での怪我は別と
して、慢性的な怪我や病気は
必ず前兆があると思うのです。
「腰がちょっと重い」とか
「首が硬くなってる」とか
「膝がなんとなく痛む」とか。
その時点で生活を見直して
何かしらの対処が出来れば
大ごとにはならずに済みます。
例えば座りっぱなし
立ちっぱなし、姿勢の崩れ、
重いものを持つ、歩き過ぎなど
関節に負担のかかる行動を
減らしてみたり、
それが無理なら入浴時間を
増やしたりストレッチをして
充分なケアをするとか、
運動をして血行を促すとか。

ところが多くの場合は
忙しさや疲れを理由に
「見て見ぬふり」をし
大したことではないと
放置してしまうのでは
ないでしょうか。
そして悪化させ
大ごとになってしまうのです。

まだ、その結果がぎっくり腰や
首の寝違え、
膝の軽い関節炎ならましですが
健康寿命を大きく削るような
病気や怪我も起こり得ます。

運動器の疾患だけではなく
生活習慣病などはまさしく
早期発見早期治療が必要で、
また効果も出やすいでしょう。

ダイエットもそうでは
ないでしょうか。
1㎏の減量なら
少しの努力で済みますが
5㎏10㎏となると
なかなか大変です。

私は見て見ぬふりの
日本代表ですから(笑)
どの口が言っているんだと
いうことですが、自戒を込めて
言います。

「不都合な真実から目を背ける」

これでは
何も解決できないのです。
蛇口から溢れ出る水しぶきが
服に染み込むように
この教訓が
私の心に深く染みました。
でもすぐに
蒸発して消えるのですよね。
(笑)

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投稿者について

柔道整復師&パーソナルトレーナー&フィットネスインストラクターです。筋肉、骨、関節を中心に健康に関する情報をあれこれ、読書好きなのでお勧めの本を紹介したり、韓流ドラマ好きなので感動したら思わず感想を書いてしまうこともあるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。

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